IRENA 国際再生可能エネルギー機関、1月26日に設立

エネルギーの確保、環境保護、貧困撲滅を国際レベルで取り組むためにドイツ政府がイニシアチブをとり、スペイン、デンマークと協力して設立準備を進めてきた。世界規模での再生可能エネルギーの利用促進と普及を目標に、次の3つの柱を掲げている。

・ 専門的な政策アドバイスによる、再生可能エネルギーのための政治的枠組みづくりの改善
・ 再生可能エネルギー分野における技術移転の推進
・ 再生可能エネルギー分野における能力向上(キャパシティ・ビルディング)支援

同機関が対象とする再生可能エネルギーは、バイオエネルギー、地熱、海洋エネルギー、太陽エネルギー、水力発電、風力発電の6つである。

設立会合では、IRENAの設立と条約への署名が行われる。翌日27日には、さっそくIRENA準備員会の第一回会合が開催される。設立会合には、IRENA設立に関心を持つすべての国連加盟国が招待されている。

日本は、IEA国際エネルギー機関など既存の国際機関との重複や、約5億円の拠出金という新たな資金負担が生じることを理由に、設立会議への参加には消極的な姿勢を見せている。

日本のこの姿勢を「国際的な流れに反している」と懸念している国内関係者の中には、1月20日に米国でグリーン・ニューディール政策を推進するオバマ政権が誕生することにより、米国と麻生政権のIRENA参加表明を期待する声がある。

IRENA設立までの経緯
ドイツ政府が昨年12月に発表した「IRENAバックグランド インフォーメーション」によると、再生可能エネルギーに特化した国際機関の設立は、1981年ナイロビで開催された国連会議ではじめて提唱された。その後、2001年EUROSOLAR主催のベルリン国際会議、2004年再生可能エネルギー会議(ボン)を経て、2008年ワシントン国際再生可能エネルギー会議で、ドイツがIRENA設立について具体的な提案を行った。

2008年4月10、11日ドイツ連邦政府のイニシアチブにより、ベルリンにある連邦外務省の中でIRENA設立準備会議が開催された。その後6月30日、7月1日にはドイツ連邦政府が40以上の国から100名の代表者を招聘し、暫定的な作業プログラムと機関の財政に関する作業部会を開いた。10月23、24日にはスペイン政府の招聘により準備会合がマドリッドで開催され、欧州諸国はじめオーストラリア、韓国、インドなど51ヶ国150名の参加者がIRENA設立に同意した。

更に12月の国連気候変動枠組み条約第14回締約国会議(COP14、ポーランド・ポズニャン)期間中には、デンマーク政府がドイツ、スペイン政府と協賛してIRENA関連イベントを開催し、各国の環境大臣はじめ参加者120名が、気候変動と金融危機を前に、再生可能エネルギーという持続可能な技術に明確な優先権を与えるべきことを、再度確認しあった。

ドイツ連邦政府のIRENA設立構想ホームページ: www.irena.org