緑の党は原子力発電所の稼動期間延長を阻止

緑の党議員会派代表のユルゲン・トリッティン氏は、ノルトライン=ヴェストファーレン州の州議会選挙に期待を寄せる。州代表で構成される連邦参議院における力関係が変わるならば、トリッティン氏は、法案を阻止する圧力をかける。

ベルリン − 緑の党は、原子力発電所の稼動期間延長を目的とした連立与党の合意に対して抵抗する構えを見せている。 緑の党議員会派代表であるユルゲン・トリッティン氏は、月曜日のARD (ドイツ公共放送連盟) のTV番組 「Morgenmagazin」 の中で、緑の党が各地の州政府への参加を果たすことで、各州政府が連邦参議院にで原子力発電所の稼働期間延長に相当する法案を阻止することを意図している、と予告した。そのために5月9日のノルトライン=ヴェストファーレン州の州議会選挙の結果にも注目すべきであるとトリッティン氏は強調した。「キリスト教民主・社会同盟と自由民主党の連立政権をここで抑えることに成功すれば、この計画は非常に困難になるだろう。」

現在、緑の党は、ハンブルク都市州、ブレーメン都市州及びザールラント州政府において与党会派となっている。原子力発電所の稼動期間延長という問題は、来年実施されるバーデン=ヴュルテンベルク州など今後の州議会選挙に影響してくる、とトリッティン氏は主張した。ここで重要なことは、ドイツで過半数の人々がこのようなリスクの高い事業に賛同するのか、という一般的な議論である。すでに現在、ドイツは電力の大半を輸出していると、トリッティン氏は語った。

同氏は、「ビブリス (Biblis)、ブルンスビュッテル (Brunsbüttel) 及びネッカーヴェストハイム(Neckarwestheim) の古い原子力発電所では、それぞれ400近い事故が発生している。」と強調し、従って、稼動期間延長というのは無責任であると述べた。同氏によれば、緑の党は、チェルノブイリ原子力発電所事故の追悼の日に際して「無責任な計画」に対しデモを行う。4月26日は原発事故が起きた日であり、それに対して24日には多数のデモが予定されている。

ノルトライン=ヴェストファーレン州議選後、キリスト教民主・社会同盟と緑の党との連立の可能性に関する憶測に関連して、社会民主党と連立を組むことが緑の党にとって ”最も重要な選挙の目標” である、とトリッティン氏は述べた。同氏によれば、緑の党との連立は原子力発電を堅持することによってのみ可能であり、緑の党ならびに緑の党が連立を担う州政府は、いかなる形式の稼動期間延長にも合意はしない。

キリスト教民主・社会同盟、自由民主党の連立与党は、先週、2050年までの原子力発電所の稼動期間の延長を調査することに合意した。この提案に対しては与党内部からも激しい批判がなされた。キリスト教民主・社会同盟のノルトライン=ヴェストファーレン州首相ユールゲン・リュトガース (Jürgen Rüttgers) 氏は、先週末、連邦参議院にこの法案に対する拒否権を発動すると、間接的に圧力をかけた。

出典:2010年3月29日シュピーゲル誌より