ドイツ再生可能エネルギー法 – 10年の歴史

再生可能エネルギー法の次の改正は、同法第65条に規定されている”経過報告書”の提出と共にその結果に基づいて2011年に行われ、2012年に施行される予定である。7月1日から発効する一部の改正条項は、3月3日に閣議決定されていたものである。

再生可能エネルギー法の成立経緯

概要 注釈
1990/
1991
  • 電力供給法 (StrEG)が1990年12月7日に連邦議会で可決
”再生可能エネルギーから生産された電力の公共系統への供給に関する法律(電力供給法)”で1991年1月1日に施行、後の固定価格買取制度やREL負担金の電力料金への転嫁等の基礎となる。
1998
  • 再生可能エネルギーの優先が連立協定(社民党、同盟90/緑の党)に明記
1999
  • 太陽電池普及促進のための10万戸の屋根(ルーフトップ)プログラム開始
  • 風力発電が徐々に増加、発電において再生可能エネルギーによる電力が5%を占める
6年間目標としてPV設置容量300メガワットを設定したが、ほぼ4年で達成されたため、同プロジェクトは2003年6月30日に終了。

2000
  • 再生可能エネルギー法(REL)が2000年2月25日に連邦議会で可決

議員立法として成立し、2000年4月1日に施行。これと共に電力供給法(StrEG)は失効。

2001
  • 10月27日にEUの再生可能エネルギー指令が発効
  • 同指令には2010年までに再生可能エネルギーの割合を14%とする旨記載

ドイツは2010年までに12.5%の目標値を設定。

2002
  • 連邦政府による最初の経過報告書が7月10日に提出。
REL第65条”経過報告書”に基づく。

2003
  • 2003年7月16日に最初の改正法と共に新規則の導入
電力集約型企業及び鉄道事業者に対して”苛厳例規則”、つまり買取義務を緩和するための規則が導入された。

2004
  • RELを全面的に改定する法律”電力分野における再生可能エネルギー法を新たに規定するための法律”が8月1日に施行
  • バイオエネルギー及び地熱のインセンティブを高めた
  • 再生可能エネルギーにより500億キロワットを超える発電を達成 
  • 風力エネルギーによる発電が増加
風量が水力を抜いて最大の発電エネルギーとなった。

2005
  • キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU) 及び社会民主党(SPD)の大連立協定  
連立協定に”適正な再生可能エネルギーの拡充”が盛り込まれる。

2007
  • 第2経過報告が11月7日に閣議決定

ドイツがEU議長国であったこの期間に、2020年の最終エネルギー消費における再生可能エネルギーの割合を20%とする総合目標値を設定。
2008
  • 6月6日にREL改正 
2009年1月1日に施行。
PVの年間設置容量に対して一定の幅(回廊)を設け、幅を上回る若しくは下回る状況に応じて逓減率を調整していく予定。
2009

2009年1月1日の改正REL施行により、大型バイオガス施設及び一部PV平地設置型の運用が危うくなったため、例外規定を第65条1a項に組み入れた。

2010
  • 5月6日連邦議会はPV電力に対するFITの引き下を決議
  • PV電力の自家消費では、年間発電量の30%以下、もしくはそれ以上自家消費するかによってFITに差を設けた
  • 自家消費に対するFIT適用対象となる設備容量30kWpが500kWpに拡大
2009年のPV設置容量は3,800メガワット。

PVの年間設置容量に対して新たな幅(回廊)を設け、容量が幅を上回る若しくは下回る状況に応じて逓減率をさらに調整する予定。

電気料金が高くなればなるほど、自家消費が有利(⇒系統負荷の軽減)。

ドイツの再生可能エネルギー法は、現在45カ国の法律に何らかの影響を与え、そのうち19カ国がEU加盟国である。

10_Jahre_EEG

出典:
10 Jahre Erneuerbare-Energien-Gesetz (EEG) – 20 Jahre Stromeinspeisungsgesetz
Erfolgsgeschichte der erneuerbaren Stromversorgung

連邦環境省資料 ”Photovoltaik effektiv nutzen ” 2010年5月

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