複雑化するPV電力のFITと逓減率
PVの年間設置容量をコントロールする新たな回廊の設定(図1)
2009年のPV設置容量が予想を大幅に超えたため、2010年からはさらに設置容量をコントロールするために複雑な手法が取り入れられた。すなわち、設置容量の目標値を3000 MWとし、500 MW増えていく毎に逓減率を1%(2011年)若しくは3%(2012年)引き上げ、逆に500 MW減る毎に逓減率を1%(2011年)、あるいは2.5%(2012年)引き下げるように設定している(図1参照)。図1中の%値は逓減率を示す。
2010年5月31日から2010年10月1日の間に設置されたPV(太陽光発電)容量を3倍、つまり4ヶ月間の設置容量 x 3 = 2010年の設置容量として算出し、その結果に基づき下図に示している逓減率が2011年に適用される。
出典:連邦環境省のデータを基にICHが作成
PVの年間設置容量をコントロールするため2008年に設定された回廊(図2)
2008年に、2009年における年間PV設置容量の閾値(しきい値)を上1500MWp、下を1000MWpと設定し、それぞれ値を上回るもしくは下回る場合には、逓減率を下記のように調整しながら一定枠の幅で設置容量をコントロールする予定であった。しかし、2009年のPV設置容量は、3800MWpと予想をはるかに超えたため、上述のとおり2010年に新たな回廊が設定された。
出典:BSW-Solar 2008
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