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欧州における代理商の存在と役割−販路開拓の手掛かりとなるか (その2)

代理商の利用は、外国市場への新規参入・販路拡大を模索する企業にとって、一つの有力な選択肢になりうる。そして、自身に合った代理商と適切な形で契約をかわすことが、将来的なビジネスの成功に向けて大変重要となるのはいうまでも無いだろう。つまり、代理商を探すプロセスは、ある程度のコスト・時間・努力を必要とするものであると言える。以下では、ドイツにおいて、どのように代理商とコンタクトをとり、代理契約を締結するかについて少しばかり説明したい。

 ドイツにおいては、CDHという代理商協会、正確には13の各州にある代理商協会の包括的組織 (本部: ベルリン)、が存在し、企業と代理商の接触の場が広く設けられている。ドイツでは、これらの組織に集積された情報とネットワークを頼りに新たなパートナーを見つけ出すことが主流となっている様である。企業がCDHを通して、適切な代理商先を見つける方法は、主に以下の4つである。

 第1の方法としては、自社広告(英語版またはドイツ語版)を、CDHが会員向けに無料で発効している月刊雑誌 “H&V Journal” に掲載することである(3.代理商紹介パンフレットの5ページを参照)。この雑誌は、広告に加えてあらゆる代理業務従事者のプラットフォームとしての役割も果たしており、年間1500件もの代理斡旋が掲載されるなど、ドイツ国内において最も発信力を持った専門誌である。どんな企業でもこの雑誌に、自社の製品を詳細に広告することができ、これを通してその製品の分野に特化している代理商にアピールを行うのである。

 H&V_Journal

図:右に広告例、左に広告料金がそれぞれ紹介されている、出所:http://hv-journal.de/?p=Offer

 第2の方法としては、ドイツで開催される各種フェア(見本市)に参加することも考えられる。CDHは、ドイツの重要なフェアにおいては、インフォメーションスタンドを設ける。代理商を探している外国企業は、是非ともCDHのスタンドに脚を運んでみるといいだろう。CDHがスタンドを構えているフェアに関する情報は、CDH事務所へ直接問い合わせればすぐに手に入る。このようなフェアは特に、外国の出展企業にとって、代理商と直接コンタクトを取るきっかけがつかめるという点で有意義である。また、各州のCDH支部は、定期的に様々な分野で、国内の大規模なフェアや国際フェアなどに対する重要な補足として、様々な分野においてCDHフェアを開催(2013年開催のCDHフェア)している。これらローカルなフェアでは、CDHの会員(企業)が自身と代理契約を結んでいる企業の製品を展示する。これによって、新たな代理商を探しにきた企業は、効率的に代理商の情報を集められ、自身のニーズに集中した形でオファーを提示することが出来るのである。

 第3の方法としては、各州のCDHにコンタクトをとり、特定の地域と分野に従事する代理商の名簿を取り寄せるという手法が挙げられる。いくつかのCDH支部はこれらの一連のサービスを無料で提供している。この手法は、ある特定の地理的市場に絞った参入を考える企業にとって特に有効なものになる。例えば、南ドイツで製品を販売したい場合には、この地域にあるCDH支部(バイエルン州ミュンヘン事務所やバーデン=ヴュルテンベルク州シュトゥットガルト市の代理商協会に連絡をとるのが適切である。

 最後に、オンラインの代理商斡旋サイトを利用するをいう方法がある。 

1. handelsvertreter.de
 代理商のインターネットプラットフォームとして始まったこのサイト(www.handelsvertreter.de)で、企業は代理商を見つけることが出来る。このサイトでは、代理商を探すのに加えて、企業が代理商に対して申し込みを掲載することも可能だ。このサイトにリストアップされている代理商には、E-Mailにて企業からの新しい情報が送られる。 

2. come-into-contact.com
 このサイトは、元は商業人の国際的なプラットフォームであった。上記のhandelsvertreter.deはこのプラットフォーム(www.come-into-contact.com)の一部である。これらはCDHおよびその国際的な上部組織であるIUCAB(International Union of commercial agents and Brokers)によって運営されており、国際的にビジネスパートナーとのコンタクト斡旋に勤めている。
 
3. cdh-markt.de
 バーデン=ヴュルテンベルク州のCDH協会のサイト(www.cdh-markt.de)は、あらゆる分野から、約2500もの商業企業が参加しており、とくに東南ドイツ地域に集中している。この商業データバンクは、卸売りの段階での商人たちの接触?交流にも寄与している。

 以上のような形で企業は代理商を、代理商は企業とコンタクトを持ち、ビジネスを作り挙げていく。では、代理商とどのような代理契約を締結するのが適当なのであろうか。代理商契約には、一般的に契約当事者間の契約の自由が反映される。とはいえ、契約条項には、代理商に関するドイツ商法の規定により多少の制約が課される。これは具体的には、代理契約当事者間の義務事項、代理商への手数料、代理契約解消、損害補償(市場開拓代金の清算)に関してなどであり、基本的に個人および少数で活動する代理商の利益と権利を保護するものであると言える。また余談ではあるが、ドイツにおいては、代理商による代理契約は、口頭での約束によってもその効力を発揮するため、その点企業は注意が必要である。契約内容に関しては、明確に決められた契約条項は存在しないが、ドイツ国内においては模範的な契約文書の例を提示することも出来るだろう。また契約に際しての注意事項をまとめたチェックリストもCDHを初めとして多くの機関が発布しているので、それらを用いることも大切である。 

【契約書のサンプル】

 この様に、ドイツにおいては代理商をめぐるビジネスインフラが良く整理されている。今後、より一層日本の企業が、これらの手段を通じてドイツ市場に進出していくことを望む。

(引用・参照)

  1. 欧州における代理商の存在と役割−販路開拓の手掛かりとなるか (その1)
  2. CDHのホームページ(英語版)
  3. 代理商紹介パンフレット(英語版)
  4. 代理商目録での検索サイト
  5. バーデン=ビュッテンベルク州の代理商検索サイト
  6. 13ヶ所に所在してる地方の代理商協会
最終変更日時 2013年7月17日10:20 PM